光によって、色が劇的に変化する宝石があります。青から赤へ、グリーンからピンクへ・・・。ドラマティックに表情を変えるカラーチェンジストーンは、まさに自然が生んだ奇跡。私たちを魅了する神秘のカラーストーンをご紹介します。
1.アレキサンドライト
カラーチェンジストーンとして最も有名な「アレキサンドライト」。アレキサンドライトは、クリソベルの変種です。クリソベルは蜂蜜色の不透明な宝石ですが、クロムが混入することで姿は一変。
太陽光の下では、深いフォレストグリーン。夜、白熱灯の下では、艶やかなバーガンディーへと変色します。これは、太陽光と白熱灯の明かりに含まれる光の色により起こる現象。アレキサンドライトは、太陽が持つ青色要素と白熱灯が持つ赤色要素の両方に反応するという特異な性質を持つため、劇的なカラーチェンジを遂げるのです。
この劇的な変色性から、アレキサンドライトは類のない希少な宝石として評価されており、ダイヤモンド、ルビー、サファイア、エメラルドについで5大宝石の最後の一つに数えられています。
2.ベキリーブルーガーネット
最高級のアレキサンドライトに匹敵する劇的な変色性から、アレキタイプ・ガーネットとも呼ばれるガーネットが存在します。その名は「ベキリーブルーガーネット」。世界でもマダガスカル島・ベキリー地区でしか採れない、希少な青いガーネットです。ブルーガーネット自体、長く「存在しない」と言われていたもの。そのうえ変色性まで兼ね備えたベキリーブルーガーネットは、非常に希少な宝石。アレキサンドライトと同じ原理で、昼の太陽光の下では知的なブルー、夜の白熱灯下では鮮やかなレディッシュピンクに変化します。
3.ミントガーネット
この宝石の歴史は新しく、1998年にタンザニアのメレラニ鉱山で採掘されました。 そんな近年発掘された宝石ですが、青みがかった優しい色味、そして抜群の透明感からガーネットの中でも価値が高いといわれています。さらにミントグリーンガーネットの中には、紫外線に反応して蛍光を示すものがあります。クロムと呼ばれる成分が含有することによって、発色する現象で一般的には「UVタイプ」と呼ばれます。
4.カラーチェンジガーネット
一つの石の中に複数のガーネットの性質をもつマラヤガーネットの一種。オレンジのスペサルティンガーネットと、赤系ガーネットのなかで最も希少とされるパイロープガーネットとの混合種である「カラーチェンジガーネット」。幻とも言われた青いガーネット・べキリーブルーが採掘される隣の山で最近発見されました。
5.バラカガーネット
グロッシュラーガーネットの一種である「バラカガーネット」。もともと産出量が少ないバラカガーネットの中に、極まれに蛍光反応を持つものが存在します。この新緑のようなミントグリーンが美しいバラカガーネットは、ブラックライトを当てるとその紫外線に反応し、ライトアップされた夜桜のような蛍光ピンクに。まさに、自然が生んだ奇跡といえます。
いかがでしたか? 一つで二つの色を楽しめる、カラーチェンジストーン。光によってガラリと表情を変えるその姿は、ずっと眺めていたくなるほど魅力的です。ぜひ、カラーチェンジストーンで印象的な装いを楽しんでみてくださいね。