ノベル製作チームの皆様方 日々の製作作業お疲れ様です、私も毎度毎度の本編やおまけ編を楽しみにしています そこで、萌えもんdeノベルをやらせていただき溜まりに溜まった妄想を拙い文章で書かせていただきました 実は密かにノベル製作者の青さんにこのssの前段階のものをお見せしたときに 地の文や視点に違和感があると指摘してもらいましたので 少し趣向をこらして、ノベル風味にssを書き直してみました 読みにくくなってしまったかもしれませんが、そうであったならすみませんorz それと、これはファンアート?みたいな物なのでこれの扱いは製作者チーム様のお好きなように、煮るなり焼くなり、ロダの邪魔だったのなら削除してくれちゃってください それでは、ごゆるりとお楽しみください 〈グリーン視点〉       それは良く晴れた休日の昼下がり       俺はふらりふらりと学校の校門前に足を運ばせていた グリーン 「あいつはバトル場に居そうだな」       なぜ、この超絶トレーナーたる俺が暇を持て余してぶらついているのは言うまでもない。       我が永遠のライボゥが自宅に不在だったからだ。       奴の自宅で暇を潰し、あわよくば昼ご飯をと思っていたが、残念ながらそのもくろみは宙に散ってしまった。 ギャロップ「マスター、なんでよりによって学校に?」 グリーン 「ん? それはだなぁ…勘だ!」 ギャロップ「勘って…」―思わずため息をついてしまうギャロップ       流石の俺の言葉にギャロップは苦笑いしているように見えるがそんなことは無いだろう。       この俺のトレーナーとしての直感が、ライバルがかの地に居ると告げて居るのだ! グリーン 「よし、じゃあ校内を探すからギャロップはボールの中に居てくれ」 ギャロップ「わかりました」       ギャロップを戻したボールを腰に付け、俺はぶらりぶらりと校内を散策するのだった。       もちろん、やっこさんはすぐに見つかるのだが… グリーン 「っと、やっぱり案の定ここだったんだな」       ここは外の運動場のほかにあるバトル施設の一つ、体育館のようなところだ。       踏みしめた床、視線の先には我が永遠のライバルとそのパートナーのアブソルが鍛錬にいそしんでいた。 レッド  「いいぞアブソル! その調子で精神を風に集中させるんだ」 アブソル 『りょう―――かいっ』       アブソルを中心に発生した風がこちらに居た髪を撫でる。また腕をあげたようだ。 グリーン 「やるなライバル…って、このまんまじゃ俺、凄い怪しい!?」       このまま眺めていると、敵の手の内をこっそり偵察しているという不名誉な行為に他ならないので俺はすかさず声をかけることにした。 グリーン 「いやっほう! 我が永遠のライバルよ! 今日も鍛錬に精が出ているようだな、ライバルの俺としても嬉しい限りだぞ」 レッド  「グリーン!? いつからそこにいた?」       いぶかしそうな眼と共に振り返るライバル。その額にはうっすらと汗が伝っていた。       隣に居るアブソルも若干息が上がっているようだ、そして心なしか目つきが険しいような…。 アブソル 『なにグリーン? 偵察なんてあんたらしくないね』       言葉と目つきに棘が見られる。       まあ無理もないだろう。せっかくの練習、いや特訓を邪魔されちゃ誰でもそうなる。 グリーン 「まあまあ、そう肩をいからすなって、俺は何も邪魔しに着たわけじゃないぜ?」 レッド  「いや、お前の存在自体が邪魔なんだが…」 グリーン 「なんだとゴルァ! お前、ライバルに向ってなんて口を!」 レッド  「お前に言われる筋合いはない! 大体もろに邪魔じゃねぇか!」       その言葉にはっと我に帰る俺様。       危ない危ない。つい、いつもの調子で口げんかに乗ってしまうところだった。 グリーン 「この俺様がそんなちゃちな真似をするわけがないだろう?」 レッド  「いや、お前は今も何時でも何度でも邪魔だよ…」 グリーン 「酷い言い草じゃないか…?」 レッド  「じゃあ――俺…グリーンが居なくちゃ生きていけないよ! だからずっと俺だけを見ていてくれ!」 グリーン 「きもっ…」       まるで蛆虫を見るような目でライバルを見る俺。       お前はいつからそこまで堕落したんだ…? レッド  「ごふごふ。ま、まあ冗談だ冗談。ところで何のために来たんだ? まさか本当に偵察か? この間ギャロップが負けたからって」 グリーン 「ふっ、今のうちに吼えておくんだな」 レッド  「何様だお前…というかなんなんだ」       げっそりとしたライバルを尻目に俺は不適に微笑む。       そう、何を隠そう今回この俺がここに出向いた理由は決してライバルにちょっかいを出すためではない。       むしろ彼は俺を非難するどころか感謝してもいいくらいだ。       何故かって・・・?       なぜならそれは―― グリーン 「今日はお前と、久々に手合わせしたいと思ってな。まさにドッキリテレビ!」 レッド  「ドッキリでどうするんだよ…それにしてもグリーンが…? なんでわざわざ」 グリーン 「へ? 暇だったから」 レッド  「お・・・ま・・・え」       なぜだか、とても脱力している様子のライバルだが。       そんなことは関係ない、奴もまた一介の萌えもんトレーナー。       売られたバトルを買わないほどの腰抜けをライバルにした覚えは、この俺にはない。       かならず、乗ってくる。 レッド  「いいだろう…練習試合だ。ただし今日こそ、お前のその天狗鼻をへし折ってやる」 グリーン 「そう来ないとな! さすが我がライバル! この俺の目に狂いはなかったようだ」 レッド  「……ッ」       なぜだかその言葉に一瞬、瞳が揺らいだように見えたが、どうやら気のせいだろう。       勝負は1on1の一本勝負。       今回は少し趣向を凝らして、より実践に近い形式で行うことにした。       当然、手持ち萌えもんは見せないし、審判も居る。       審判は敵方のウインディにやってもらうことになった。       通常審判は敵方というのはアウェー以外何物でもないが、彼女なら大丈夫だろう。       こちらの手持ちはギャロップ。あちらは…まあ、大方アブソルといったところか。 グリーン 「さあ、ライボゥ、わくわくしてくるな!」 レッド  「ふんっ 今日こそお前を倒す」       俺の態度が気に食わないのか、はたまたやる気満々なのか。       まだまだどうして、若いし甘い。       だが、慢心を持たずに全力で迎え撃つのがライバルたる俺の使命。 ウインディ『さあ、両名位置に着いてください』       静かに、ウインディが言葉を紡ぐ。 ウインディ『勝負は1対1の一本勝負。練習とは言えこれも立派な試合、ゆめゆめ手を抜くなどないように』 グリーン 「もちろん、俺はいつでも全力さ」 レッド  「今日こそ勝つ!」 ウインディ『よろしい…それでは、バトル始め!』 グリーン 「いけ! ギャロップ!」 ギャロップ『はい、マスター!』       ウインディの合図と共に萌えもんを出す。       こちらは、ギャロップあちらは―― レッド  「頼んだぞアブソル!」 アブソル 『了解だよっ!』       やはり、案の定アブソルか…だが、気を抜いてはいけない。       なんせかつては一度、その凶刃の前に倒されているのだから。 グリーン 「ギャロップ! 気を抜くなよ!」 ギャロップ『わかってます! さ、勝負よソルちゃん!』 レッド  「いいか! 今日こそ奴の鼻っ面を叩き潰してやるぞ!」 アブソル 『もちろんっ! 覚悟してねギャロップ!』       お互いの主人の掛け声と共にバトルは始まった。         手始めにギャロップが高速で相手の懐に潜り込みローキック。       だが、さすがいつもどおりの戦法。なんなくかわされる。       それでも、ギャロップはそれを予想済みと言わんばかりに更にコンボのような蹴りラッシュを繰り広げる。       下段足払いミドルキック、上段ハイキックから一回転、回し蹴りまで鮮やかに繰り出される。       対するアブソルはこれをどれも紙一重で避けきった。 アブソル 『ひゅ〜、さすがねギャロップ』 ギャロップ『ソルちゃんこそっ』       そして今度は攻守が入れ替わりアブソルが攻めに転ずる。       小刻みな足運びから拳を繰り出す、1発2発。これを受けきるがまだ拳の殴打は止まらない。       3発4発5発、確実に防ぎ着実に距離をあける。       だが6発目、アブソルの一撃は拳ではなく、爪による一閃だった。 ギャロップ『ッ!?』       突然の斬撃に受けるではなく避けるという行動を強いられるギャロップ。       すんでのところでかわしきり距離を取ったが、その動揺は隠しきれない。 グリーン 「ギャロップ、大丈夫か!?」 ギャロップ『うん、危ないところだったけど大丈夫』 グリーン 「流石にあの攻撃には驚いたな、向こうも成長し続けてるってことだ。冷静で居ろよギャロップ、もうアブソルはお前にとって立派なライバルなんだ。その糸が緩んだ瞬間…負けるぞ」 ギャロップ『わかったわ、マスター。簡単に倒されちゃったら、ソルちゃんに申し訳ないもんね』 グリーン 「よし、じゃあ行けギャロップ!」       こちらが会話しているのと同じく、向こうもアブソルと何か話していたらしい。       ガッツポーズを決めたアブソルもギャロップとかち合うためにまた走り出す。       スピードで分があるこちら側だが、接近戦だとやはり相手に引けをとる。       ひのこでけん制を入れつつ出方を探るギャロップだが、ひのこはひょいひょいと避けられてしまう。 アブソル 『どうしたのギャロップ? さっきからちょこまかと!』 ギャロップ『ふふふ、焦らない焦らない』 アブソル 『くっ、このっ!』 レッド  「アブソル! 挑発にのるな!」       躍起になってギャロップに追いすがろうとするアブソル、そんな姿にライバルがたまらず声をかける。 アブソル 『わかってるって!』       だが、このけん制はアブソルに効果抜群らしく、じょじょにアブソルの攻撃が大振りになってくる。        それをひょいひょいと交わし、いなし、受けながら期を伺うギャロップ。       そして、一際大きなアブソルの一撃が虚しく宙を切った直後。 アブソル 『あっ、しまっ――』 ギャロップ『もう遅いよっ!』       ギャロップの蹴りが炸裂した。 アブソル 『きゃぁっ』 レッド  「アブソル!」       ライバルの近くまで蹴り飛ばされたアブソル。       ぎりぎりで地面に踏みとどまったみたいだが、やはりダメージは大きいのだろう、顔に苦痛の色が浮かんでいる。 〈ギャロップ視点〉       完全に隙を突いたはずだったけど、ソルちゃんは間一髪でガードをしていたみたい       それでも、その苦渋の表情を見れば効果はあったみたいだ       私はついついマスターに笑顔を向けてしまう ギャロップ『マスター、やったよ!』 グリーン 「よくやった、だが気を抜くなよギャロップ。向こうはまだまだやる気満々だ、それにあのライバルの目…さすが俺を倒すと息巻いてたことはあるな」 ギャロップ『まだ…何か隠してるみたいだね…』 グリーン 「なんにでも対応できるようにしておけよギャロップ。さ、やっこさんがやってくる」 ギャロップ『はいっ、マスター!』       こちらに突っ込んでくるソルちゃんを迎え撃つために私も足に力を籠める       いつもどおり踏み込みから一閃、のはずなのに手元が何か変だ…いやな予感がする。       お得意の爪が振りかざされる、それを私は見切り避ける準備を取る。       だけどなんで? なんでソルちゃんの目は笑っているの…!? グリーン 「距離を取れギャロップ!」 ギャロップ『え、はいっ』       ビュォッ       マスターの一瞬の機転で大幅に距離を取る       だけど、その判断も一瞬遅かったのか、私の肩口には小さなの裂傷が走っていた ギャロップ『ッ…そんな、なんで…』       何が起きたのかわからなかった。       あれほど、完全に大げさなほどソルちゃんの爪の範囲から逃れたはずなのにまるで見えない刃でもあるかのように斬撃は追ってきたのだ。 グリーン 「風だ…」 ギャロップ『え?』 グリーン 「かまいたちの刃を爪の一撃と共に生み出したんだ」 ギャロップ『そんなことまで…』 グリーン 「考えてる時間はなさそうだぞ! 次が来る!」 ギャロップ『はいっ!』       マスターの一言で気合を入れなおして、私はソルちゃんのもとへ走る       向こうも、不適ににやりと微笑みながら迫ってくる。       それを見て私も笑みがこぼれる。       今まで、こんなことはなかった。       追い込まれることも、考えることも、わからないことも。       だけど、今は違う! 彼女は私の前に居る! 友として敵として、そしてライバルとして!       楽しい、楽しい、楽しい!       これを笑わずに居られるだろうか。       横薙ぎの一撃を身を深く沈めかわし、返す蹴りは紙一重でかわされ、次いで縦に振られた腕を横に一歩引いて避け、そこに畳み掛けるように仕掛けた蹴りの押収はどれも決定打にはならない。       まさに拮抗、天秤の上での駆け引き、押しつ押されつ一進一退の攻防は続く。       だが、そんな激闘も終わりは来る。 アブソル 『あっ』       声と共に宙を掻く爪、その時私は後ろにバク宙するように舞っていた。 レッド  「いまだアブソル! 空中なら身動きはできない!」 アブソル 『わかって――――るっ!』       レッドさんはそんな隙を逃さず、すぐに風を回りに集中させ特大のかまいたちを放たせる。       だが、その風の凶刃が私を捕らえる前に、足がこのバトル場の壁に着いた。 グリーン 「そのまま天井に三角飛びだ!」 ギャロップ『イエス、マスター!』       マスターの掛け声と共にかまいたちを間一髪のところで上に避ける。       下方の壁でかまいたちが壁を穿つ音が聞こえる。 レッド  「逃がすなアブソル! かまいたちだ!」 アブソル 『りょう――かいっ!』       すかさずレッドさんの命令通りソルちゃんはかまいたちの連撃を繰り出すが、どれも私には当たらない。 グリーン 「天井に着いたら炎の渦だ!」       マスターの命令に返す間もなく、すたりと私の足が天井に着く。       そして、ソルちゃんは…動けない。       攻撃をしないのではない、できないのだ。 レッド  「アブソル!?」 アブソル 『ダメ…もう出せないっ…』       かまいたちのPPが尽きた今、その眼に驚愕を宿したままこちらを見つめ返している。       否、目が離せないのだ。       私はそこが平地のようにしっかりと、風に舞う羽のようにやわらかく。       烈火のごとく真下に居る私のライバルを見つめる。       次の瞬間、ソルちゃんの居る地上から天井の私までを繋ぐ炎の道が生じる。 アブソル 『あっ、これは!?』 レッド  「しまった、炎の渦で隔離された!?」 グリーン 「そうだライバル。逃げ場は…ない!」       ソルちゃんとレッドさんが焦ったときにはもう遅い。       私は全力を籠めて天を蹴り、自分と好敵手までを結ぶ炎の道を駆け抜ける。       やおら拳を構えた私のライバルにまっすぐに降り注ぐように――       轟音 〈グリーン視点〉       勝負の行方は明らかだった。       バトル場に瀕死のサインを意味する警告音が鳴り響く。 ウインディ『勝者はギャロップだな』       勝負の終わりを静かにウインディが告げる。       そして、俺の視線の先には気絶して目を回しているアブソルの姿があった。   ギャロップ『あちゃぁ…ごめんねソルちゃん…』       加減が利かなかった攻撃に、思わずギャロップは謝っている。       だが、そんなギャロップにウインディは静かにこう告げた ウインディ『ギャロップは謝ることは無い。全力でぶつかり合い勝負がついた、そこに告げる勝者の哀れみは敗者を傷つけるだけだぞ』       その言葉にギャロップははっと何かを思わされたみたいだ。       そして、ゆっくりと頷き。俺の元に帰って来る。       俺は飛び切りの笑顔を浮かべて迎えてやる。   グリーン 「よくやったギャロップ」 ギャロップ『でも…結構ぎりぎりだったよマスター?』 グリーン 「それでも勝ったんだからいいじゃないか。それに、それくらいアブソルも強くなったってことだ。喜ぶことじゃないか」 ギャロップ『それも…そうですね。ソルちゃん何時の間にこんなにも強く…』       まったくだ、この間と言い今日と言い、俺達のライバルどんどんと強くなってくる。       やはり、俺の目に狂いはなかったわけだ。 グリーン 「こりゃ、俺達もうかうかしてられないな。これから特訓だぞ!」 ギャロップ『はいっ!』 グリーン 「今回の練習試合で学ぶことも多かった。やっぱりあいつは俺の永遠のライバルだな、これから先がまた楽しみだ」 ギャロップ『そうですね。私もソルちゃんと互角に戦えて凄い楽しかった』 グリーン 「よし、次はもっと良い戦いができるように今から特訓がてら走りに行くぞ!」 ギャロップ『はい、マスター!』       そして、いつもどおり何故か服を掴まれて猛烈に引きずられる俺。       まあ、こんなこといつもどおりだ、気にしちゃあいけない。       最後にバトル場を出る前に俺は我がライバルに声を張りあげ別れを告げる。 グリーン 「ふははっはははははははは! さらばだライバル! 次の機会を楽しみにしているぞ!」 レッド  「あ、ちょ、待てよグリーーーーーーーーーン!」       ライバルの怒声を無視して、中ばギャロップに引きずられるようにして俺は走り出す。       俺のライバルはまだまだ強くなる。       それに置いてけぼりにされないように、常にライバルで居られるように。       萌えもんトレーナーとして恥じないように、俺はこれからも強くなる!       我が永遠のライバルに負けないようにな!